蝉の声が聞こえる季節になった。 今日から7月。 席替えをすることになった。 窓側の一番後ろの席。 そして隣の席には... 「山崎君よろしくね」 彼女、葛城麻友子がいた。 彼女は僕に太陽みたいな笑顔を向けた。 「よろしく」 胸が高鳴り、少し声が震えてしまった。 彼女の明るく、活発なイメージに間違いはなく、 あれから何度も気さくに話しかけてくれた。