いつも二人の時間よりも

部活や勉強を優先させてきた。


それは二人で決めたことだったから。


でも、せっかく忙しい中私のために時間を作ってくれたのに

私は私のことしか考えていなかった。


彼を裏切ることになってしまった。



家に帰り、謝ろうと彼に電話をかけたが、

出てくれたとしても何と謝ればいいかわからなかった。


結局、彼は電話に出なかった。



蒸し暑い部屋に窓から涼しい風が入り込んだ夏の夜、


彼としたケンカの後悔が波となって押し寄せた。


これが彼とした初めてのケンカだった。