顔が引きつっていたかもしれない。



まだ進路を決めてはいないが、


この街を出るつもりはなかったから。



「そっか。一緒の大学に行こうよ!」



そう言って笑う彼女はいつも通り愛おしかった。



「嘘。裕太が行きたい大学ちゃんと見つけてね」



「うん」



たぶんこの言葉が本心なんだろう。


彼女はいつも人の意見を尊重するから。


自分の意見を他人に押し付けたりしないから。