こんなにも簡単に手は繋げるものなのかと 改めて僕の臆病を嘆いた。 そのまま彼女の手を引いて歩いた。 少しの間沈黙が続いた。 「うふふ」 と彼女が突然笑い出した。 「幸せ」 そう言って僕に寄り添った。 彼女の手を強く握った。 「僕も」 心の底から幸せだと思った。 夕日が二つの影を伸ばしていった。 この日から僕たちは手を繋いで帰るようになった。