学園の門が近付いて来ると、段々と騒がしくなってくる。
やっぱり、今日も実施しているようだ。



「ったく、うっせぇな…。」


「みんな、朝から元気だね…。」



門周辺には、沢山の女子が群がってる。
いつもの光景。
最近では、見慣れてきた。
今はちょうど、『挨拶運動』の時期。
生徒会役員が、門の前で挨拶をしている訳だけれど…。



「おはようございます、皆さん。」


「キャァァァァァァ‼︎」



女子の群れの真ん中にいる彼。
そう、生徒会長。
うわぁ…朝からキラキラしてる。
流石だなぁ…。
生徒会長、改め 仲之院 要(ナカノイン カナメ)は、何となく想像できるかもしれしれないけれど、仲之院財閥の御曹司。
女子が取り巻くのもわかる。



「流石、生徒会長だね。」


「そこは、生徒会だろ?」



千裕の言葉に、頷く。
確かに、生徒会のメンバーは皆んな非の打ち所がない様な人ばかり。

見ているこっちが、目の保養になるようなイケメン率。
そして、全てそつなくこなせる文武両道な優秀な成績。
極め付けに、家がかなりの大物。

生徒会って、無敵だと思う。