それから数日が経ったとき………


朝から大きな声が聞こえ、目を覚ました






















なんだ………?


うるせぇな………





















俺は、そのまま眠りにつこうと思ったが…

声があまりにも大きく、うるさくて眠れず



俺は、その声が聞こえる方に向かって足を進めた





声は、リビングから聞こえ

俺は、リビングに入るドアを開けた




















「ふざけるな……っ!

わ、私にこんなことして………


ただで済むと思ってんの!!」









「さっきから、何言っているの?

私は、何もしていないわよ?」


























リビングに入ると……



桜姉が怒り狂ったような表情をして

椿姉を怒鳴っていた






















なんだ……?

なんかあったのか……?


















「私の友達を………全て奪って…っ

仕返しのつもり……っ!?」







「フッ…
友達……って…

あなたと友達なんて思ってる子……
一人もいないわよ?



私がちょっと話しただけで
あなたの友達みんな、私と友達になってくれたわよ


あなたの悪口をずっと話してきて
ホント疲れちゃったわ」







「椿……っ!」







「ああ。そうそう


あなたの今の彼氏もそうよ

ちょっと話しただけで、あなたの彼氏
私を好きになっちゃったみたい


嘘だと思うなら、電話でもしてみれば?
まあ……別れようって言われるのがおちだけど」




























な、なんだ………?

ホントに何が起こってるんだ……!?



















「お父さんもお母さんも、あんたに呆れてるし

あんたの味方なんて一人もいないわよ


まあ、自業自得よね?

あんたの性格が招いたことなんだから」









「椿……っ!」









「フフッ……

やっと、あんたの気持ちが理解出来たわ



これは、すごく………快感ね」








「私にこんなマネして……

ただで済むと思ってんの!」








「フッ………

馬鹿ね……


あなた一人で何が出来るっていうの?


誰かがいないと何も出来ないあなたに
何が出来るっていうのかしら…ね?



ねぇ。一人ぼっちの桜ちゃん♡」









「………っつ!!

許さないから!絶対に許さないから…っ!


絶対に殺してやる!!」








「へぇ……殺す?

あんたに出来るの?


ほら、やってみなさいよ

さあ!!」








「………くっ…!」





















桜姉は、手を握りしめると

椿姉の挑発に怯んだのか、その場から離れ家を出た




















「まだまだ苦しんでもらうわよ、桜……


精神面は、これでいいとして……

次は、身体的に苦しんでもらうから……」







「つ、椿姉………」







「あら。いたの、美咲」
























椿姉は、冷たい表情と声で独り言のように呟いていた


俺はそんな椿姉に恐怖を感じながら話しかけた

















「椿姉………あ、あのさ…」







「美咲。お姉ちゃんの邪魔しないでね?

あなたは、黙って見ていればいいの


あなたは、大事な弟なんだから……

黙って見ていればいいのよ」

























椿姉は、そう言うと

俺にニコリと微笑んで抱きしめた





俺は、すぐに椿姉の言葉の意味を理解した





黙ってみていろ

じゃないと、次はあんただ









そう言う意味だと……





















「たった一人のきょうだいなんだから……

私は大事にしたいのよ…」





























椿姉は、もしかしたら………いや、そんなはずない



椿姉が………桜姉を殺す…はずないよね…?




椿姉………



























この後、椿姉と桜姉は……

一週間くらい家に戻って来なかった



いや、違う………

一人しか家に戻って来なかった