「お母さん、ただいま」





『椿、お帰りなさい!』



















椿姉の声が聞こえ、桜姉は来た!と言って、奥に隠れた



俺は、そんな桜姉を横目で見つつ
リビングに入ってくる、椿姉とその婚約者を待った




















「…………………美咲?

美咲だよね……?



久しぶり。

見ないうちに、すごくカッコよくなったね?」








「椿姉、今まで顔出さなかったから
そう思うだけだよ

俺は、普通の顔だよ」


















椿姉は、6年間一度も家に帰って来なかった

連絡は来ていたから、両親も心配してなかった


















『この子が、椿の弟くん…?



初めまして、俺は……

中谷 元晴っていいます




椿から、君のことは色々聞いているよ


でも、まさかこんなカッコイイ子だとは思わなかったよ




さすが、椿の弟だね』



























椿姉の後ろから出てきたのは……



知的な雰囲気を醸し出していた

なかなかの男前の人だった



























椿姉と同じ年齢なのかな?

























「初めまして

俺は、美咲っていいます


椿姉がお世話になっているみたいで……」








「コラ!美咲!」









「痛い痛い!冗談だよ!」
























椿姉は、俺の言葉に頬を膨らませて

俺の身体を叩いてきた




俺は、椿姉のそんな姿にホッとして

いつの間にか笑っていた

























良かった………


椿姉、ちゃんと素の自分が出せてる……



この人の側は、安心して素が出せてるってことなんだね………

























そして、夕食を一緒に食べようと

俺たちがテーブルについた瞬間………
























「ねぇ〜


私を忘れて食事を始めるなんて、酷いんじゃな〜い?」









「桜………っ!?」


























桜姉は、ニコッと微笑みながら

俺たちの前に顔を出した






















「へぇ〜


なかなかのイイ男じゃん

ねえ、名前なんて言うんですか〜?」





























桜姉は、椿姉の隣の人を見た瞬間……

目の色を変え、中谷さんに近づき



中谷さんの肩を厭らしく撫でた