「せーのーっ!!」




「んーーーっ!!」













私の親指に痛みが走り

涙が出てきた
















「あー、暴れるから……

取れなかったよ……


じゃあ、もう一回!」







「…………っ!?んうーー!!!」













椿の言葉に驚き、私は力一杯首を横に振った


でも、椿はそんなの気に留めず
また、爪を剥いだ












「ううーーーーっ!!!」





「よし!取れた
見て〜、綺麗に取れたでしょう〜?」

















椿は、まるでホームランの球を自分のグローブで取ったかのように

血がついた爪を私に見せてきた















もうお願い……っ!

もう止めて……っ!



お願い!誰か助けて……っ!















「ホントはね……
桜の苦痛の叫び声を聞こうと思ってたんだけどね……?


でも、考えてみると……
桜の声って耳障りだから、ガムテープで口を塞いだの



後から、喉を潰してあげるから楽しみに待っててね?」

















椿は、そう笑っていうと……

また私の爪を順番に剥いでいった




何度も頭を横に振り、止めてと頼んだが

椿は、やめようとしなかった















そして、爪を全て剥がすと……

次は、小指から順番に折っていくと言った




私は、何度も何度も泣いて頼み込んだが聞き入れず、左手の指を全て折った














「ねぇ、桜………

もうちょっと、楽しい表情をしたら…?」
















これのどこが楽しいっていうの!!

頭おかしい!マジ、イカれてる!!
















「じゃあ、今日はこれでやめようか
明日は、右手から再開して

次は…………あっ!忘れてた!
両足も爪を剥いであげないとね?


楽しみだね!桜!」















お願い………っ

誰か助けて……っ!
















「じゃあ、おやすみ
良い夢見てね?」


















そう言うと、椿は近くに置いてあるソファに横になり、静かに眠った