私はあなたに恋をした

ブレザーのポケットから携帯を取り出す茜はがっくしと肩を下げた。
淡い期待は一瞬で打ち砕かれてしょげていると大輔は茜に聞いた。



「あいつ放課後になるとお前に会いに行ってるけど、お前煉と付き合ってんのか？」



「違う！！」



咄嗟に否定しなければと思ったら自分でも驚くほど大きな声が出て、茜は恥ずかしくて俯いた。
大輔は茜の大声にポカン、と口を開けて数秒固まり、その後くつくつと笑い始めた。



「なんだ、デカイ声出せるんじゃねえか」



「！」


かあっと頬を染める茜に大輔は楽しそうに笑うと、自分の携帯を茜の方へ向けた。
赤外線受信で送られてきた大輔のアドレスに、茜は同じように自分のデータも大輔の方へと送る。
それを確認した大輔は満足そうににんまりと笑った。