「舞桜、笑って?」
そのひとことで、また涙が溢れ出す。
私は、泣きながら精一杯笑ってみせた。
「…ありがと。好きだよ、舞桜」
「ふぇっ…えぇ…っ!琉生…っ」
「じゃあな、舞桜!また3年後な!」
そう言って、私の頭を撫でて、
森の入口へと向かって歩き出した琉生。
「…琉生!!!」
私が、琉生の名前を呼んでも、
もう、琉生が振り返ることはない。
それでも、私は叫んだ。
「私、待ってるから!!晴太と!!また、遊ぼうね!!今度は恵生もいれて!!…好きだよ!!」
だんだん遠くなっていく琉生の背中。
最後に、琉生は私の叫んだ言葉に
軽く手を挙げて答えてくれた。
そして、琉生の姿は見えなくなった。
「…ばいばい、琉生」
琉生のこと、信じて待ってるよ。
だから、今は
しばらくの間、
さよなら、私の好きな人――