ふるーつぽんち。

「中澤くん!!」



校庭ではいっぱい荷物を持った
中澤くんがこちらを振り向く



「城ノ宮さん」





「しおり、ありがとう!
覚えててくれたんだね!
それ言いたくて!」



少し距離があったから大きく息の切れた
声で叫ぶ












え!?






中澤くんが私をぎゅっと抱きしめる








「な、なかざ、わくん?」







「君はそのままでいるんだよ
純粋でまっすぐな君で…じゃあね」



そう言って中澤くんは
その場に置いていた荷物を抱えて
門を出た





なんだったんだろう…







今の事を理解できないまま私は教室に戻った





「由奈!なにいまの!」




一緒にお弁当を食べていた
関口 あずさ(せきぐち あずさ)が
興奮気味に私に言う



周りの男子も
「なんだよ、中澤と付き合ってたの?」
「早く言えよー」


とかなんとか、言ってた




「見てたの?」




「見てたんじゃなくて
由奈があんな大きい声出したら聞こえるよ!
それで窓見たら…ねー」





クラス中がヒューヒュー
って私をからかう





「おいっ!由奈!
誰だよ、今のやつ!」