「ゆなぁー、ゆなー!」


「なに?!」


朝が苦手な私は聞き慣れた声にイラつく


「今日、日直じゃねーの?」


「あっ!!」



外に出たくないっていう気持ちが
嘘のようにすぐ起きれた


私を起こしに来たこの人は
桜田 孝輝(さくらだ こうき)だ

孝輝はサッカー部に所属していたけど
そろそろ受験を控えた
私たちは部活を引退してる


「後ろ向いてて!」


「お前さ、普通男を部屋ん中入れて
着替えるかよ」


呆れたように孝輝が言う


「孝輝はいいの!」



すぐに支度を終えた私は孝輝と一緒に家族に


「いってきまーす!!」
「お邪魔しましたー」


と、だけ言って学校に向かった



「今日は飛ばすぞー!」



「孝輝よろしくー!」


時間がない日とかは孝輝の自転車に
2人乗りで坂を下る


「てか、私一人で行くって
言わなかったっけ?」



孝輝とは違うクラスだから
日直は関係ない



「今朝俺が起こさなきゃ遅れてただろ」



「まぁねー」



孝輝は面倒見がいい
いい人だ