穏やかだなぁと、僕は思う。



このまま穏やかが続けばいいのにと、思う。



鈴菜の死なんて考えなくてもよくて、



ただ、こんなふうに、穏やかに、学校生活を過ごしたい。



鈴菜とずっと過ごしたい。




「ねぇ、」


笑いが収まった様子の小川が、ある方向を指さして言った。


「あの子、草薙くんの知り合い?」



ずっと立ち止まって見てるけど...、と続けた小川が指さす方向を見ると、