「山田さん、今日は本当にありがとう~~」


一緒に来てくれた看護婦さんにお礼を言う。


若いんだけど、ちゃんとしてて、私にとってはお姉さんみたいな存在。


「いえいえ、いいのよ、鈴菜ちゃん

好きな人が学校でどんな風に過ごしているか気になるもんねぇ~」


ニヤニヤしながら山田さんは言う。


「ちょ、なんで山田さんはこういうのすぐ分かっちゃうのよっ

隠せてるつもりなのに~!」


そう、なぜか山田さんはすぐに気づく。


私の柊也に対する気持ち。


「ふっふっふ、甘いな鈴菜ちゃん

数々の恋愛を経験してきた私にとって、鈴菜ちゃんの隠し方はまだ甘々なのよっ!」


キメ顔でそう言ってそのまま歩いていっちゃう。


「ちょっと~置いてかないでよ~」


山田さんは看護婦さんなので私が走らなくてもいいようにしっかり待っててくれてた。


「どうだろうね?
学校での柊也くん」


「気になる~
全然話してくれないんだもん。

まぁ本人いわく友達少ないらしいけど~」


「そりゃあ毎日病院きてたらね
心配だったけど、やっぱりいないのね~友達」


良くないよね...友達いないの


私のせいだよね。


毎日来てくれてるから


自分では分かっていても他の人に言われると傷つく。


いつまでも柊也に甘えっぱなしじゃダメだよね。


表情が暗くなった私を心配してくれたのか山田さんは、


「まぁまぁ、よく考えればライバルいないってことだし!
気にする必要ないよ~

今重要なのは、恋愛に興味が無さそうな柊也くんをどう振り向かせるかだ!」


と言ってくれた。


その言葉に私も反応し、学校につくまでずっとどうすればいいかを話し合ってた。