「あ、あの、草薙くん」


いきなり話しかけてきたのは同じクラスの女子。


「いきなりごめんね。
先生から伝言

進路調査のやつ出してだって」


あぁ……


そう言えばまだ出してなかった。


「わかった
伝えてくれてありがと」



お礼を言ってまたため息をつく


進路……か



僕にはなりたいものがない


普通に生きていたい


当たり前に過ごして


当たり前のどこにでもある人生を送りたい。


夢なんてない


いままでずっとそんな事考えたことなかった


鈴菜と一緒にいたから。


そんなの考える暇なんてなかったな。


逆に、鈴菜がいるなら、何だっていいとさえ思う。


進路調査を提出出来ないのだって書くことが何も無いからだ



なんて書こう………………