*数日後*

「ただいま」


「おかえりっ

やっと来たね柊也っ

待ってたよっ」



いつも以上にテンションの高い鈴菜に出迎えられ


僕はいつも通り彼女のベッドのそばにあるパイプ椅子に座る。



「…どうしたんだよ」



「やっと聞いてくれたかっ

あのね、私めちゃくちゃいい方法を思いついたの!」



「なんの話だよ」



「お母さんに感謝の気持ちを伝える方法!」



あぁ

そんな事も言ってたな



「ぬり絵を描く!

感謝の気持ちに合った花言葉のついた花のぬり絵をたくさん描いて、

それをお母さんにあげるの!」



そんな事考えていたのか。



「だからね!

柊也に手伝って欲しいんだ」



「はぁ!?

僕に手伝えることなんてあんの?」



「あるあるあるあるある!

ぬり絵の台紙を買ってきて欲しいの」



あぁそうか


買いに行けないんだもんな。


でも……やっぱり


感謝の気持ちを伝えるなら


自分で買いに行ったほうがいいんじゃないか?



「なぁ

外出許可ってねーの?」



「えっ?」



「なんなら一緒に買いに行こうぜ」



「あっ

あぁぁぁ

そっか!

私が自分で買いに行けばいいんだっ」



「いや、1人はさすがにダメ

僕と一緒に行こう」



「うん!

柊也と一緒なら先生も承諾してくれるよねっ」


とても嬉しそうだ。



よかった。