ぎぃぃぃと少し錆びたドアを開けるとふわっと風が吹いた。
“立ち入り禁止”と書かれた張り紙を無視してはいる。
ここは屋上。
屋上につながる階段は暗く少しお化けでも出そうな雰囲気がするためか、普段生徒が立ち入ることはなかなかない。
確かに階段は怖いけど、スマホの明かりを頼りに進めば大したことはない。
それに先生達もこんなところに来る生徒はいないだろうと見回りとかにも来ないため、はいってもべつにバレることはない。
屋上へ出ると、気持ちいい風が吹く。
6月に入り、鬱陶しい天気が続いているから、こういう風に当たるとすごく気持ちいい。
いつも通り、風でボサボサにならないように髪をひとつに結んで、かばんの中から粘土を少し取り出し、小さく丸くする。
そして屋上の端っこの柵の上に特製のゴム鉄砲を取り出し、構える。
ちょうど向かい側の校舎の非常階段のところで安田先生が立っているのが見える。
さっき丸めた粘土をゴム鉄砲に仕込み、その頭のたった一本の髪の毛の根元部分に狙いを定める。
右側からの風が少し強い。
なので狙う部分より10センチほど右側に向かって……撃った。
見事に粘土は飛んでいき、狙い通りたった一本の髪の毛の根元についた。
安田先生は何がついたんだろうと手を頭に持っていき粘土をとった。
同時に髪の毛もとれた。
先生はどうやら焦っているようだ。
持っていたタバコも落とし、髪の毛を穴があくほど見ている。
「やった!仕返し成功だ!」
一人でガッツポーズする。
どうせ今は誰もいないのだ。
思いっきり悪態をつく。
「ハゲクソジジィ!!人の楽しみを奪ったからこうなるんだ!!べぇーーだ!」
未だに髪の毛を見ている先生に舌を出す。
あぁ、スッキリしたーー!
と思ったら、

