金曜日 私は咲を呼び出した


「咲 話があるの。」


「私も愛梨と話したかったの。」


ただでさえ細い体なのに さらに細くなってしまった


なんて話し始めたらいい?


「流我の事でしょ。」


「うん。私 桜井と付き合ってるの。」


誰も居ない 休憩室
静か過ぎて 息が苦しい


「私が流我の事好きって知ってたでしょ?それなのに…。」


「ごめん。最近知った。」


クスッと笑う

「愛梨は鈍感だもんね。」

呆れ気味で でも優しく笑う咲


「流我が愛梨の事好きだって 知ってた。でも 愛梨は眼中になかったでしょ?」


確かに眼中になかった
今の関係になるなんて 思いもしなかった

「だから チャンスだと思った。私は入社した時から ずっと好きだった。愛梨なんかより ずっと。」


涙を流す咲
なんて声掛けて良いか わからず ただ聞く事しかできなかった