雁字搦めにされても、それですら嬉しいのだろう。
俺はきっと、あの人の奴隷になったのだと思う。
一瞬にして心を奪われ、この身を任せきったあのときに。
自分から望んで鎖に繋がれた。
鎖に繋がれ、あの人の美しく強い糸で絡めとられた。
「…っ…はっ…」
だってそれを想像しただけで、こんなにも身体が熱く苦しくなる。
望んでいなければこんなにも胸が苦しくなることなど、死にそうな程身体が熱くなることなど、ないだろう?
それなのにあの人に鴉と呼ばれたことを、そう呼ぶ声を思い出してしまった。
更に激しくなる熱とあの人への気持ち。
抗いきれない衝動に、熱い疼きに、心臓の辺りをキツく握りしめる。
「はっ…ぁ…あっ、つい…」
熱い、熱い、熱い。
ドクドクと脈打つ身体に思わず自嘲する。
俺はこんなにも狂った人間だったのか、と。
「…っく…み、ず…」
あまりの熱さに水を求め起き上がると、目の前には大きな全身鏡。
そこには熱さに喘ぎながらも恍惚の表情をした自分が映っていた。

