1.昼休みにて


「おい、2年B組30番の古畑光輝(ふるはたこうき)は居るか?」

そういった彼女は、今まで友達と喋っていたりご飯を食べていた者達の視線を一瞬で自分のモノにした…

何故なら彼女がこの学園、私立不知火学園で最も美しいといわれる顔立ちをしているからだ。

腰まで綺麗に伸びた長い黒髪…
透き通るような白い肌
ガラス玉のような大きな紫の瞳
鼻筋の通った鼻…
制服のスカートからは長く細い脚がスラリと伸びていた。
彼女の名前は、郷愁紗栄子(きょうしゅうさえこ)

俺と一緒に購買で買った焼きそばパンを頬張る友人Aも食べるのをやめ見る見るうちに顔が火照っていった。

その内回りも、ガヤガヤし始めた

「おい!!紗栄子さんじゃん!!」

「なんで特進クラスS組の郷愁紗栄子がいるんだよ!!ってか、めっちゃ美人だよな~」

まあ、男子はいつもこんなんだよな。
普通に考えてこんなモデルのような美人がこんな"私立"ってだけの学校にいるだろうか…もっとあっただろ…

「あ、見て!!紗栄子ちゃんじゃん!!いつ見ても可愛いい!!」

「ホント!!美人なのに気取ってないところとかもう最高!!私が男なら惚れてた♡」

「私も私も!!」

あ、女子にも人気があった事を説明し忘れてました。
もう、学園のアイドルと言っても過言ではない彼女…そんな彼女が何でここに。


「おい!?お前、郷愁紗栄子に呼ばれてるぞ!?何したんだ!?」

俺の両肩を掴み強く揺さぶる友人A

ヤメロヨウ…



え、待って、俺?