「....僕さ、この街、出ようと思うんだ」 そう落ち着いた声色で彼は言った。 まるで、何てことないように、さらっと。 彼が、いなくなる。 「...そっか」 私の頭は思っていた程、賢くできてないらしい。 "行かないで" "側にいたい" "一緒に付いていく" そんな想いは、ひとつも言葉とはならない。