「......」 沈黙のなか、聞こえるのは雨音だけだ。 彼の言葉数は、少ない。 「濡れてない?」 と私を心配し、肩と肩が触れる度 「ごめんっ」 そう言い俯いて、彼はまた黙った。 私は、それらに"平気だよ"と応えるだけ。 離れるに離れられない。なんとも、 相合い傘というものは厄介なものだ。 けれど、それを選んだのは自身であるのだから、なんとも言えない。