「・・・信じられないけど。でも、きっとそうなんだよね」
「ああ・・・」
夾くんも呆気にとられながらも納得したみたいに頷く。
はせちゃんは、相変わらず魂が抜けたみたいになってるけど。
「すず。・・・世話になったな」
「え・・・?」
「ただ、案内するだけでよいと言っていたはずが、ずいぶん巻き込んでしまった。すまなかったな」
「そんな・・・。最近は私の方から巻き込まれに行ってたし・・・」
突然そんな事言うなんてなんだか変なの。
照れくさくて、居心地悪いよ。
「瀬名。最後の決断は、勇気のある決断だったぞ。お前が手を下す必要はなかったと俺は思う。お前の手は護る手だ。すずを護ってやれ」
「・・・言われなくても」
「はせちゃんとやら。光秀・・・、今は水原だったか。最後まであきらめずいてくれて恩に着る。こやつの支えになってくれ」
「は、はい。もちろん」
「光秀。俺の事を思い出してくれたこと嬉しく思う。だが、これ以後はもう忘れてしまえ。お前は、水原として生きるのだ。なにも悔いることも、絶望することもないのだからな」
「信長さま・・・」
まるで。
最後の別れみたいな。


