「うるさい!もう、僕はこうするしかないんだ!もう、なにもかも手遅れなんだ!」
「なにが!今からだって手を引けばまだ間に合う!もう、こんな事やめてくれ!」
「だめだ・・・。僕・・・、私はもう、あの方を二度も裏切ってしまった。もう、顔向けできるわけがない・・・。だから、私は・・・」
水原先生から、悲痛な声が聞こえる。
先生、なにかに苦しんでる・・・?
いったい、何に?
「その妖に脅されてるの!?だから、手遅れなの!?」
「うるさいぞ、人間。脅すなど。そのようなことしなくとも、この男は自ら俺に協力しているのだ。なぁ」
「・・・ああ、そうだ。妖の存在に魅入られ、もっと知りたいと探究心に駆られここまで来た・・・。私は、私自身の意志でここにいる」
ゆるぎない気持ち。
さっきまで不安定だった空気が変わった。
・・・水原先生・・・?
「なんでだよ・・・」
「どうする。水原のやつだけなら刀なんかなくてもやれると思うけど」
「無理だよ。あいつがそんなこと絶対させてくれないよ」
「じゃあどうするんだよ」
待って。
もう少し、きっと、もう少ししたら・・・。
「すず!」
場の空気を換える凛とした声。
私は顔をあげ振り向くと、スタッと信長さまが降り立った。


