やっぱ、辛かったかな・・・。
瀬名くんはお母さん亡くなってて。
それなのに、こういうのって、辛いかな。
私、余計なことしちゃったのかな。
「夾くん、この間はお父様がいらしてたでしょ?お母様は?」
「あ、あの。お母さん、瀬名くんは・・・」
「中学の時に、亡くしました」
ズカズカと踏み込んでいくお母さんに戸惑っていると、瀬名くんはそうはっきりと答えた。
「そう。じゃあ、お母さんもきっと喜んでるわね」
「・・・え?」
「こんなに立派に育ってるんですもの。この間も、すずを庇ってくれたんでしょ?そういう事、なかなかできる事じゃないわ。きっと、誇らしく思ってるわね」
「そんな事・・・」
「あら。そんなことあるわよ。母親っていうのは、子どもの成長が本当に本当に、嬉しいものなの。子どもが笑って育ってくれること、幸せでいてくれること。自分が思ってた以上に立派なところが見えること。子供の成長を喜ばない親はいないわ」
お母さんは、そう言い切るとにっこりと笑った。
お母さん、そんな風に思ってたんだ。
なんだか、少し照れくさいけど、嬉しい。


