それを開き中から取り出したのは、注射器。
中にはどす黒い液体のようなもの。



「な、なに・・・」

「これは、妖の妖気を集め液体化したものです。これを作り上げるのにとても苦労しました。ようやく完成したので、試したくて」

「試すって・・・」




まるで、新しい玩具を与えられた子供のような無邪気さ。
息が詰まるほどの恐怖が襲う。




「い、いや・・・やめ・・・たす、たすけっ・・・」



ガクガクと恐怖に震える身体。
縄が食い込むのも厭わず必死で抵抗する。


怖い、怖い。


怖くて仕方ない。



やだ。
変だよ、この人、絶対変。




助けて。
お願い、誰か。




瀬名くんっ!!!