なにも、できなかった。 多分、なにも理解できてなかった。 頭が現実を。 心がその光景を。 嘘だと。 色が、消えたみたいに。 そこで見たんだ。 男の肩に。 不気味な化け物の姿を。 そして、その男の身体が青白い光に包まれていた。 それからの事は、覚えていない。 いつの間にか俺は病院にいて。 母親が死んだ、と聞かされていた――――――。 俺のすべてが、消えた日。