「それは、俺のだ」




瀬名くんの口から出た言葉は、全く想定していないものだった。




「ちょ、ちょっと待って、これが瀬名くんのって・・・なんで」

「どういう意味だよ」

「だって、これTKってイニシャルでしょ?瀬名くんのイニシャルは違うじゃん」




そうだよ。
ブランドのロゴとかじゃない。
だって、それ刺繍で、たぶん誰かが手縫いしたものだ。
ってことは、きっとイニシャルで・・・。



「そんな事、お前に関係ないだろ。・・・っ」



ハンカチは時枝くんの手から瀬名くんの手に渡り、瀬名くんはそのハンカチをすごく辛そうな表情で見つめていた。
どうして、そんな顔で見てるの?


一目で自分のモノだってわかるくらい思い入れがあるハンカチなんじゃないの?
それなのに、なんでそんな悲しいような苦しいような表情で。




やっぱり、瀬名くんの事はわからない。