「でも、そういうのあいつなら喜ぶかもなぁ」

「あいつ?」

「ああ、水原先生。あの人、俺の同期なんだけど、そういうオカルト的な話結構好きなんだぞ」

「そうなんですか・・・」




――清宮さんは、妖の存在を、信じるかい?



脳裏に水原先生の声が蘇る。
少し怖かった。
得体のしれないただならぬ雰囲気に、ぞっとした。




「はせちゃん、水原先生と仲いいの?」

「仲よくしたいんだけどな。同期だし。でも、あの人ちょっと変わってるだろ?」

「・・・ちょっとっていうか、大分・・・」

「ははっ。だよなー。あんま、人と関わろうとしないんだよ。俺は気にせず絡んでいくけどな」




はせちゃんらしい。
はせちゃんは人当たりがいいし、生徒とも距離が近くとても話しやすい先生だ。
だからきっと、水原先生にも臆することなく話しかけてるんだろうな。



「あの人、非科学的なことは信じてないかと思いきや、結構好きなんだぜ?妖とかそういうの」

「そうなんだ・・・」