「き、清宮さんも早く・・・」
「わ、私は大丈夫!先に行って!」
「でも・・・!」
「大丈夫だから!逃げ遅れる前に早く!」
私には信長さまがいる。
相手が妖相手なら、信長さまがいれば大丈夫だ。
辺りでは騒ぎに気付いたお客さんたちから悲鳴が上がりバタバタと逃げ出していく。
騒ぎになりそうだ。
でも、どうにかしなくちゃ。
「瀬名くん、腕大丈夫なの?」
「・・・別に」
「別にって、それに、あんた刀だって今日は持ってないんでしょ!無茶だよ!」
時枝くんを逃がして、自分は残ったけど。
瀬名くんだって、この場にいちゃダメなはず。
「ここは、信長さまに任せて!」
「うるさい!俺に指図するな!妖も、妖なんかに憑りつかれる人間も、・・・俺は誰も許さない!」
「え・・・」
叫ぶと同時に瀬名くんは男に向かって走り出した。
男は正気を失っているのか目の焦点があっていない。
それでも、向かってくる瀬名くんに向かってナイフを振り上げた。
「信長さま!」
「わかっておる」
悲鳴のように叫ぶと、信長さまが答え瀬名くんを追って駆け出した。


