~土方side~

今日から新しい下女が入った。

名はお夏という。

赤夜と知り合いらしいが油断はできねぇ。

長州のヤツかもしれないしな。

「烝。出てこい」

俺が呼ぶと烝が姿を現した。

「お呼びですかい?」

「今日入隊した下女のお夏を調べろ。わかり次第報告だ」

「承知」

そう言って烝姿を消した。

この胸騒ぎは気のせいだといいが……。

「土方殿。入ってもよろしいか?」

「潤弥か。入れ」

俺がそう言うと潤弥が中へ入った。

俺はこいつを《鈴宮》から《潤弥》へと呼び方を変えた。

「どうしたんだ? その前にこの部屋はお前の部屋でもあるんだ。わざわざ声をかけなくてもいいだろう?」

俺がそう言うと潤弥は眉間にシワを寄せながら言った。

「この間そうしたら怒ったのは誰だ?」

あっ。

そういえばそうだったなぁ。

「すまない」

「別に謝ってほしくって言ったんじゃない」

おっ?

こいつがそんな事言うなんて珍しいなぁ。