何度、生まれ変わっても~幕末の時代~

「安心して、兄さん。きっと二度と会わないと思うから」

私が言うと兄さんは「そっか」と、言った。

しかも、悲しそうな目をしながら。

「兄さん? 顔色すぐれないけど、具合悪い?」

「えっ? あ、だ、大丈夫だよ」

また、笑顔で兄さんは言った。

良かった……。

私はある事を思い出した。

確か兄さん、京で出会いたい人がいるって言ってたなぁ。

「兄さん。兄さんが探してる人って見つかった? てゆうか、誰探してるの?」

「昔世話になった人だよ。赤夜も会ったことあるよ」

私も会ったことあるの!?

兄さんより人に会ってないんですけど私……。

考えながらお団子に手を伸ばしが、いつの間にか全部食べ終わっていて、片付けられていた。

「え~!!! もう終わり!?」

すると、兄さんは立ち上がり「宿に戻るぞ」と言った。