何度、生まれ変わっても~幕末の時代~

勇さん………。

「文も出さないですみませんでした。また会えて嬉しいです」

暖かい………。

「積もる話もあるだろう。座りなさい」

「はい」

私達は一度座った。

「まぁ、何だ。まずは兄貴さんの自己紹介でもいくか? 俺達はアンタを知らねぇしな」

としぞーが言うと兄さんが頷き言った。

「紹介が遅れて済まない。俺は鈴宮潤弥という。赤夜が世話になった。アンタらの事はこの子から聞いているよ」

「潤弥君。君が赤夜君の兄なら君も……」

兄さんは頷いた。

「そっか。分かった。話を進めてくれ」

「別に構わないが、少し待て」

あっ。

兄さんも気づいたんだ。

「覚悟は出来てるな」

兄さんは苦無を取り出し天井に向かって投げた。