「遅すぎだよ!!」

そして私は刀を峰の方にし、それを浪士の腹へ強く殴った。

「ぐはっ!」

たったその一撃で浪士は地に倒れた。

「弱いね。そんなんでよく俺にケンカを売ったね」

私はそう言い、二人の方に振り向いた。

「怪我は?」

私は、そう言った。

「ありません。助けていただきありがとうございます」

女の人は頭を下げて言った。

「お兄ちゃん! ありがとう!」

子供は満面の笑みで言った。

その笑顔を見ると私も笑顔になれた。

「怪我がなければいいんだ。今度から気をつけろよ?」

「うん!」

子供は手を振りながらその場を離れた。

「お礼がしたいのですが、お名前とお住まいを聞いてもよろしいでしょうか?」

女の人はそう言った。

お礼かぁ。

別にいいのに。