~赤夜side~

夕方だ。

「赤夜。そろそろ行くよ」

兄さんに言われ私はその後について行った。

三条小橋に着くと私は兄さんに聞いた。

「兄さん。そろそろ、誰と会うのか教えてくれてもいいんじゃない?」

兄さんは何も言わない。

何なんだよ。

私は、川を見ていた。

私はあの匂いがするのを感じた。

「この匂い……」

「赤夜?」

兄さんは私の反応に気づいた。

「兄さん。この匂い。あの時と同じ匂いだ」

私はそう言い走った。

「赤夜!?」

兄さんが呼んだ気がしたけど、それどころじゃない。

あの匂いがたくさんする。

アイツらが……長州の奴らがいる。

私は池田屋という宿に着いた。

「ここだ……」

中に入ろうとしたが兄さんに肩をつかまれた。