何度、生まれ変わっても~幕末の時代~

~羅无side~

先程、山崎先輩から虎舞……いや、茜が亡くなったと聞いた。

そう聞いた時不思議と涙が出なかった。

「羅无君……」

名を呼ばれ振り返るとそこには……。

「山崎先輩……」

山崎先輩は何も言わず俺の前に立った。

「最後に……別れを告げなくっていいのか……?」

茜の事か……。

「はい……。何を言っていいのか分からないんです……」

いつも隣にいた茜……。

「山崎先輩……。俺……」

いつも側で笑ってくれていた茜……。

「とても悲しいんです……」

なのに……。

「なんで……涙一つ出ないのでしょうか……?」

悲しいんだ。

生まれた時からずっと側に居たから。

その茜がもういないのに……。

「俺……どっかおかしいのでしょうか……」

「きっと……認めたくないのかもしれないな……」

なんで山崎先輩がそう言うかは分からない。

「茜が死んだ事……認めたくないという自分がいるんじゃないか……?」

認めたくない自分……?

「それでも現実から逃げてはいけない……。ちゃんと見送ってやってくれ……」

山崎先輩のその言葉で俺は涙を流した。

「……はい」

俺は茜の元へ歩いた。

棺の中で幸せそうに眠っている茜がいた。

「待ってろ……。俺の願いが叶ったらそっちに行く……」

よかったな……茜……。