「だからって!! 赤夜さんは新選組の方達を巻き込みたくないから……!! だから!! あんな事した……のに……」

「虎舞……」

嘘やろ……。

そしたら今は松西院と赤だけって事か……。

「赤は今何処おる!?」

はよ行かなあかん!

「教えることは出来ない……」

なん……やと……?

「何でそうなるん!? 赤が心配やないのか!?」

自分でも分かるくらい慌てているのが分かる。

「じゃぁどうすればいいんだよ!! 赤夜はあんた達を巻き込みたくない!! 俺ができるんだったら助けたいさ!! だけど! あいつには勝てない……!! 松西院には勝てねぇんだよ!!」

声を荒らげながら羅无はんは言った。

気づいたら羅无はんは涙を流していた。

「俺は無力だ……。赤夜に恩を返したい……。俺らに居場所をくれて……名前をくれて……俺らを一人の人として見てくれた……。だけど……何で……」

「もうええよ……」

わいはこれ以上聞けなかった。

いや聞きたくなかった。

「山崎先輩……。お願いがあります……」

さっきまで話さなかった虎舞はんがわいの方を見て言った。

この時の虎舞はんは真剣な顔をしてはった。

不覚にも胸が高鳴った。

「赤夜さんは……この先の川辺にいます。私達はこの方達をお夏の所へ連れていかなければなりません……。山崎先輩……。赤夜さんをお願いします……!」

「任せとき。わいが……俺が赤夜を救うから」

俺の言葉使いが変わった事に気づいたのか二人は驚いていた。