「理由は何だ? 言え」

「だからここにいたくないからだ。さっきも言った」

もうほっといてよ……。

「赤夜。顔を見て言え。いつもなら話す時は見てんだろ。何で今日はそうしねぇ?」

としぞーはよく見てんだな……。

でも今回は駄目。

見られたくない……。

「赤夜。命令だ。顔を見て何があったか言え」

「やだね。もう隊士じゃなくなるから命令しても意味無いよ」

するととしぞーは無理矢理私の顔を見た。

「な、何すんだよ……!?」

「!! 泣いてるのか……?お前それどうした……」

気づかれた……。

としぞーの馬鹿。

私はとしぞーから離れこう言った。

「烝に聞けば? あいつ聞いてたから。じゃぁね……?」

「赤夜!!」

私はそのまま振り返らず屯所を出た。

……お夏さん。

待ってて……。

必ず、貴方の家族を助けるから。

約束したもんね……?

~side end~