佐倉が俺の隣にいてくれるだけで、それだけで俺は幸せだから。 「加賀谷くん、料理作るの下手だよね」 「佐倉が上手だから大丈夫でしょ」 「あんまり期待しないでね……」 そう言ってるけど、俺が想像してるよりもすごいものを作るんだろう。 俺は邪魔しないように隣に立って、佐倉が頑張ってるところを見ようかな。 「ご飯が失敗しても、加賀谷くんと一緒に食べたらわたしは美味しく感じるよ。きっとね」 「……俺も」 敦弥達カップルに負けないくらい俺と佐倉もバカップルかもしれない。 そう思った冬の帰り道。