#1



「真白!!」


「……なに?」


昼休み、弁当を広げた俺のところに焦ったようにやってきたのは、敦弥だった。

「弁当忘れたの?」

「違うっ!紫乃ちゃんが俺と付き合ってくれるって!!」

「まじか……」

「反応薄くない!?」


ただ、驚いて声が出てないだけ。

だって、文化祭からまだ1ヶ月も経ってないから。


「ちょっと前に紫乃ちゃんに付き合って欲しいとは伝えてたんだけど返事待ちしてたんだよね。そしたら、今日の朝返事もらえて……」


「良かったな、敦弥」


毎日、俺のところに来て紫乃ちゃんと夜に電話したとか、ラインがいちいち可愛いとか、


そういう報告をしてた。