思いに乗せて~大好きな人~

それは中学三年生の話。

「今年で、中学卒業なんだね」

中学三年生の夏。

今日から3泊4日の修学旅行。

飛行機に乗りながら、隣に座る親友
井上愛華(いのうえ まなか)にそんな言葉をつぶやく

「そーだね。
卒業なんて早いもんだよ」

「だよね、だから修学旅行も楽しまなきゃなー!!」

「そうそう!
卒業とか寂しいことはわすれよう!
パーっと楽しもうね!」

「うん!!」

私は、こういう楽しい日に限って後から来る辛いことを考えてしまう。


ころんころん

「ん?」

足元にサイコロが落ちてきた?!


「んぁ、わりぃ!
ちょ、取ってくんね?」

後ろの席の男子ふたりが付いているテーブルを開いて人生ゲームをしてるらしい。


「はい」

「あ、りがとな!」

「うん」

「美緒、良かったね、如月と話せたじゃん」

小声で私に言う愛華。


そう、私は龍也のことが好き。