子供達に触られたり掴まれたりするのは嫌なのに…、嬉しくて心地が良くて…、私おかしいよ…。こんなに恥ずかしいなんて、なんでよ。マキ姉ちゃんもリク姉ちゃんもこんな気持ちだったのかな…?
「なぁ、それで何するんだ?」
はっと我にかえったユナは何考えてんだろうと、顔を見られないようにしながら再び歩み、川辺に着くと木の棒を渡して、ユナも棒を持つ。先には糸が付けられて糸の先には針がある。針は滑らかに返され釣り針のようだ。
「針の先にこの餌を刺して水の中に放り込むの。魚が掛かったら棒を引いて釣るんだよ。やって見せるから、ちゃんとみててね」
餌は土の中に巣くう虫で、まだ生きているのを針に刺した。水の中に放り込むと、暫くの間は何もせずじっと黙って何かに集中している。
「掛かった!」と叫ぶと同時に棒を力に逆らわずにゆっくりと引いていく。近くまで引くと水面から魚が飛び上がり、最後にばっと力強く引くと、魚が地面に上がりパチパチと跳ね上がっている。針をとると、置いてあった網に魚を入れて川に流した。
「逃がすのか?」
「ううん、持って帰るまでに時間があるから水に浸しておくの。この魚はね、半日しか鮮度が保てないからこうしておかないと食べられないの」
「そうなのか、水がなければ死ぬんだな…」
「釣られちゃった時点で食べられるから、死んだも同然なんだけどね」
まるで、闇に生きた心の死に神が、暗き深い闇の中でしか育たないというのと同じなものだ。
「俺は…さかな……」
「え…?」
「いや、なんでもない」
見様見真似で川に餌のついた釣りを投げ入れると、ゆっくりと何かを待った。
魚と同じように闇に釣られたら、俺は俺でなくなる…。俺は俺で在りたい。餌に掛からず逃げるように、俺は光の中で生命を得よう…。このまま、時を過ごしたい。
「なぁ、それで何するんだ?」
はっと我にかえったユナは何考えてんだろうと、顔を見られないようにしながら再び歩み、川辺に着くと木の棒を渡して、ユナも棒を持つ。先には糸が付けられて糸の先には針がある。針は滑らかに返され釣り針のようだ。
「針の先にこの餌を刺して水の中に放り込むの。魚が掛かったら棒を引いて釣るんだよ。やって見せるから、ちゃんとみててね」
餌は土の中に巣くう虫で、まだ生きているのを針に刺した。水の中に放り込むと、暫くの間は何もせずじっと黙って何かに集中している。
「掛かった!」と叫ぶと同時に棒を力に逆らわずにゆっくりと引いていく。近くまで引くと水面から魚が飛び上がり、最後にばっと力強く引くと、魚が地面に上がりパチパチと跳ね上がっている。針をとると、置いてあった網に魚を入れて川に流した。
「逃がすのか?」
「ううん、持って帰るまでに時間があるから水に浸しておくの。この魚はね、半日しか鮮度が保てないからこうしておかないと食べられないの」
「そうなのか、水がなければ死ぬんだな…」
「釣られちゃった時点で食べられるから、死んだも同然なんだけどね」
まるで、闇に生きた心の死に神が、暗き深い闇の中でしか育たないというのと同じなものだ。
「俺は…さかな……」
「え…?」
「いや、なんでもない」
見様見真似で川に餌のついた釣りを投げ入れると、ゆっくりと何かを待った。
魚と同じように闇に釣られたら、俺は俺でなくなる…。俺は俺で在りたい。餌に掛からず逃げるように、俺は光の中で生命を得よう…。このまま、時を過ごしたい。

