月の光に照らされて

来た道を戻ると、何人かの子供達は戻ってくるのを待っていたようにさっきの場所にいた。そこから少し離れた所に一つのグループが、何かを中心に円を作っていた。


「お姉ちゃん、誰か倒れてる」



雑草の上に横たわるその姿は軍服を来ていて、少女とはまだ歳が離れていない。足枷がはめられていて、武器は所有していない。捕虜にされて脱走してきた恰好にみえる。

呼吸は弱々しく、乾いている皮膚を見ると水分が足りていない。子供達にここで見張っているように伝えると、長家に戻り飲料水を四角い入れ物に入れて、急いで子供達のところへと戻った。