「おっ、俺、口に出してた?」 「おう、バッチリやでっ!」 慶太は親指を突き立ててグーと答える。 やべぇー。 俺、そうとう病んでる? でも重要なことは、 そんなことじゃないんだ。 観覧車に乗るまえに、 あのバカップルからあんなこと聞かなければ、んな悩んでねーのに。 たぶん、ゆなは唇にキス、して欲しかったんだと思う。 でも今の俺にはこれが精一杯。 ガキみたいなキスが精一杯なんだ‥。 もしあのとき、 キスしてたら良心がまじでとがめてた。 よくたえた、俺。