気のせいか、慶太が若干震えている気がする。
そして仲居さんはスクっと立ち上がり、慶太目掛けて突進した。
次の瞬間、バチンっと鈍い音がしたと思ったら慶太の頬が赤くなり腫れていた。
「痛っでぇ~!!何するんやいきなり!」
慶太は半分涙目で頬を押さえる。
「何するんややない!あんた何でいきなりいなくなったりするんよ!」
「ええやんかっ!俺がどこの高校受けよーがリンには関係ないやろっ」
いつもヘラヘラしてて、女子にもデレデレしてる慶太がここまで言うのはちょっと普段は見れない。
俺が関心しているとゆなが俺の腕にピトっとくっ付いた。
『なになに??どうなってるの‥?』
小声で話すゆなに「黙って見てろ。」と耳打ちする。
しっかりうなずくゆなに、こんなときに不謹慎だが可愛いなんて思ってしまう。
