「ここやよ」と言って通されたのは日本庭園が綺麗に見える和室。
やけにデカくてピッカピカだ。
俺ら無料で泊まらせて貰うのにこんな豪華でいいのかよ…。
『わぁ~すっごい素敵ーっ!!』
隣ではゆなが嬉しそうにぴょんぴょん跳ねている。
まぁゆなが楽しそうだからいっかー。
どこまでもゆなには甘い俺だった。
「ほな、ごゆっくり~♪」
スタとふすまが閉まり、俺たちはやっと2人っきりになる。
『「……』」
2人して沈黙。
同棲してるんだからいつも一緒に居るんだけど、旅行というだけで緊張してしまう。
でもこの沈黙を破ったのは来なくていいのに奴だった。
「はっやとーっ!!!!ゆなちゃ~ん!!」
香苗さんの女将っぽいふすまの閉めかたとは対象的にバンっ!と勢いよく慶太が入ってきた。
