パンプスとスニーカー

 「いえ、うちって田舎なもので、わりと親戚も近くにいて、よく従兄弟とか親戚の子も遊びに来てたんです。小さな子もいるのが、けっこう身近でしたから」

 「ああ、そうなのね」

 「はい。なんかあの子を見ていたら、懐かしいっていうか…。子供の頃、よく私も弟たちにせがまれて、欲しくもないお菓子を買ったり、ガチャポンとかさせられたなって」

 「ふふふ。そういえば、武尊もハマってたわね」

 「え?ほ…タケちゃんがですか?」




 もちろん、武尊にも子供時代はあったのだろうが、今の彼からはそういうものにハマっていたという子供らしさは連想しにくい。




 「うちは、ほら、上の子たちとは年が離れてて、武尊の上二人が女の子じゃない?」

 「ああ」




 なんとなく話の流れが分かる気がする。




 「お姉ちゃん二人が猫可愛がりしてね。あの子が欲しがるものはなんでも手に入れてあげたり、かなり甘やかしてたわね」

 「はは、甘えっ子だったんだ」

 「そうね。私もかなり甘やかしたわね。娘が…あの子の母親が私の娘なのだけれど、早くに亡くなったから、よけいにかしらね」