パンプスとスニーカー

 「写真?」

 「あの写真…あんたと小田切先生の奥さんの不倫写真は、じゃあ、なんなのよ、ってことよ」

 「……………」




 なんなのよ、と言われてもマンマなので、武尊的にも言葉に詰まって黙り込む。


 しかし、姉にちょっとつつかれたくらいで簡単に馬脚を現していては、これから海千山千の連中と渡り歩こうという法曹生としての名も廃るというものだ。




 「合成だろ?」

 「合成ッ!?」

 「それか俺じゃないまったくの別人か?いくらでもあんなもん合成できる世の中だぜ?俺と、む、むとぴょんの仲を妬んだヤツが、水でも差そうとしたんじゃねぇの?」


 「え~?それはいくらなんでも、あんた嘘臭すぎ」




 どんなに嘘臭くても、今の武尊はこれで突っ走るしかなかった。




 「嘘臭すぎるもなにも、本当のことだから仕方ないだろ?いくら俺でも、オヤジの息のかかった医者の嫁になんか手を出すかよ」

 「う~ん」




 まさに今回のことは一生の不覚。


 立場があるのだからこそ、相手もルールから逸脱してバカなことをしでかすとは思いもしていなかった。


 …旦那と離婚して俺と結婚とか、ありえないだろ。




 「私にしても、そりゃあ、そうであって欲しいとは思うけどさ。あんた案外ツメが甘いっていうか、私たちがいけないんだけど、家族の女たちみんなで甘やかしたから、どうも世の中舐めきって墓穴掘るところあるもの、心配よ」