パンプスとスニーカー

 「…おばあさま」




 さすがに踏み込みすぎではないかと武尊が声をあげる。


 が、




 「そうですね、たぶん、そうだと思います。…頑固で自分がこうだと思ったら絶対に意思を曲げない人ですけど、家族思いであたし…私や兄、弟たちを男手一つでちゃんと何不自由することなく育てあげてくれた人ですし、家のことで私たちを不安にさせたり悩ませたことがありません」

 「そうね、男の人は、愛情を上手く口にするのが下手な人が多いようだけど、ちゃんとあなたには通じてるんだから、素晴らしい人ね」




 祖母の言葉に、ひまりは照れ臭そうに、けれど嬉しそうに微笑んだ。


 そうしていると本当の祖母と孫のように、すでに二人は馴染んでいた。


 そんな二人を見るともなく見守っていると、隣に座っている姉が耳元でこっそりと囁いてくる。




 「あんたにしては、ずいぶん上等な子を連れてきたじゃない」

 「……まあ」 




 目論見通りと言えなくもないが、そんな姉の嘘偽りのない賞賛の言葉に武尊の気持ちは複雑だった。




 「おうちも、名の知れた名家とか資産家ではないようだけど、堅実なお家柄みたいだし、なによりもあの子、いい子じゃないの。今時の子には珍しく、ちゃんと私の目を真っ直ぐ見て話して。今まであんたがぶら下げてた子たちなんて、ネチャネチャ喋るばかりで、いったいどこ見て話してるんだか、って感じで、ホント女を見る目がないっておばあさまと心配してたのよ」

 「…………」