パンプスとスニーカー

 「あら、武藤さんって4人兄弟なんだぁ?うちと同じねぇ。末っ子?」

 「いえ、男二人、女一人の真ん中です。えっと兄は、私とちょっと年が離れていて27才、弟たちは双子で今高校2年生です」

 「27才…って、うちの双美と同い年じゃない。私より1才下なのに、もう妻帯者かぁ」




 微妙に一佳の顔が引き攣って見えるのも、豪快な性格の女性である姉であってもやはり年齢と結婚は引っかかるお年頃だからか。




 「え?一佳さんって、28才なんですか?」

 「そうなのよ、この年になって、いまだに決まった恋人もいないようでね」

 「おばあさまっ!」




 いつもは武尊に説教をする立場の一佳が祖母にやり込められている。




 「一佳さんは凄く美人だから、引く手あまたで中々一人の人に絞るのが難しいんですよね、きっと」

 「そうよ、そうよ」




 ひまりのヨイショ、もとい助け船に一佳が飛び付く。


 雑談を兼ねた互いの身辺調査が進んで、多少は残っていたぎこちなさもすっかり取り払われていた。




 「でも、大変ね。いくら特待生だって言ったって、生活費まるごと大学から支給されているわけじゃないんでしょ?」

 「はは…さすがに、それは。でも、それも覚悟の上で半ば勘当されるみたいなカタチで上京してきたので」